TECH LEAD Blog

IT・WEBエンジニアのキャリア相談/転職支援サービス【TECH LEAD(テックリード)】が、エンジニアキャリアに関する記事やtwitterアンケート企画「エンジニア世論調査」の結果を投稿しています。

フリーランスエンジニアを目指す人に伝えたい大切な事

こんにちは、TECH LEADです。

先週公開した記事が、なぜかsmartnewsさんに掲載されたみたいで、瞬間的に見たこともないアクセスの伸び方に驚いてしまいました。 ブックマークいただいた皆様、SNSでシェアしていただいた皆様、ありがとうございました。

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今日は、twitterなどでよく見かける、フリーランスエンジニアを目指す方で、特に経験の浅い方に向けてブログを書きたいと思います。

最近よく見かける未経験からフリーランスエンジニアを目指す人

TwitterやTECH LEADの登録者でも、未経験や経験の浅いエンジニアの方で「フリーランスエンジニアを目指している」と言った声を聞くことが、以前と比べて本当に増えました様に感じます。

背景には、フリーランスエンジニアとして高額収入をアピールするインフルエンサーへの憧れや、IT/WEBエンジニアの人手不足、終身雇用の崩壊や新しい働き方の広がりなど様々な要因があるのではないでしょうか。

フリーランスエンジニアを目指す動機

フリーランスエンジニアを目指す一番の理由は「報酬の高さ」にあるのではなないかでしょうか。 実際、TECH LEAD Agentの若手の求職者の方でも、転職と並行してフリーランスエンジニアへのキャリアパスを模索されている方がおり、理由を尋ねると一番は「手取り報酬の高さ」を理由に挙げられていました。

また、報酬の高さに加えて「会社に縛られない自由」を挙げる方も多いように感じます。 会社に入社すると、始業時間や煩雑な社内手続きなど堅苦しいルールが多く、また気の合わない上司や同僚と仕事をしなければならない場合には、毎日が憂鬱なものになるため、そういった様々なしがらみから解放される事を求めている方も少なくないように感じます。

フリーランスと会社員の比較

【前提】

  • 発注元企業との契約金額がボリュームゾーンである80万円/月で、エージェント経由で契約するケースを前提

  • エージェント側が受け取る手数料は15%と設定 (*諸説あります)

  • 想定するエンジニアは、数年のエンジニア経験でプログラミング以外も含め自立的に開発業務を進めていける方(開発規模にもよる)

  • そのクラスのエンジニアを自社採用した場合の年収として480万円を設定

【報酬面】

  • 額面報酬 フリー:68万円(80-(80x15%)) |社員:40万円(480/12ヶ月)

  • 正味報酬 フリー:62万円(68-(68x 9%)) |社員:48万円(40+20%(社会保険会社負担 15% + 交通費・PC等労働装備費5%))

フリーランスの場合、プロジェクトの切れ間や案件開始までの非稼動期間を加味し、年に1ヶ月(9%)の非稼動期間を加味して「正味報酬」を計算

【福利厚生や事務作業面】

  • フリーランス:契約期間外は好きに休めるが、有給などの法定休暇はない。また、経理作業や仲介会社とのやり取り、税金の支払いや確定申告など、エンジニアリング以外の雑務も発生する。

  • 社員:有給休暇以外にも会社によっては外部研修まで業務時間内で実施。また、雑務についてはバックオフィスや外部業者が担当してくれる。

【キャリア面】

  • フリーランス:基本的には、必要となる作業を遂行してもらう外部プロフェッショナルであるため、開発業務における付加価値業務に対して企業側が積極的に関与させるインセンティブは存在しない。契約時間を最大限作業遂行に充ててもらうようにする。

  • 社員:中長期的な育成の観点から、成長の機会や(技術的な)リーダーシップを養う機会を多く与えるインセンティブが発生する。また、業務上必要となる新しい技術やチャレンジについては、給与・経費の枠組みの中で作業以外にも投資を行うことも多い。

※最近ではスタートアップ企業を中心に、フリーランスエンジニアも社員と分け隔てなく扱う企業も増えてきている印象です。

【総評】

報酬面ではフリーランスの方が150万円~200万円ほど正味の報酬金額では高く、現状の給与が実力よりも低かったり将来年金には期待していない方には、この金額以上に報酬面でのメリットが大きくなりそうです。 一方、見えない費用として認識しておいた方が良いのが、会社のバックオフィス部門が個人の代わりに対応してくれている様々な雑務です。毎月の税金や保険料などの支払いから、年度末の税金の計算・確定申告(会社員は年末調整のみ)など、エンジニアとしての仕事以外も自分でやらなければならない、といった事をしっかりと把握しておくべきかと思います。

また、フリーランスを考慮する際に最も重要となる視点はキャリア面ではないでしょうか。 私自身も、過去多くのフリーランスエンジニアや法人のエンジニア業務委託サービスを利用してきましたが、前述したように残念ながら外部のエンジニアの方の成長を意識しながら高い報酬を払ってまで仕事を依頼した記憶は無く、今でも継続的に仕事を依頼したいと思う外部のエンジニアの方は片手で数えても余る程度しかおりません。

もちろん、フリーランスエンジニアの方の成長志向性とアサインされた開発プロジェクトの状況がマッチする事もあると思います。 しかし、その様な成長を促進させてくれる恵まれた仕事に出会い続ける事は稀なのではないでしょうか。

本当に目指すべきなのは「求められ続けるエンジニア」なのかも知れない

少し「フリーランスエンジニアになる」ことにネガティブな印象を与えてしまったかも知れませんが、大前提としてフリーランスも会社員もどちらが絶対的に良いと言うことは無く、また個人の価値観に照らし合わせて選択する働き方の一つです。

ただ一つだけ言えるのは、経験の浅いエンジニアの方がフリーランスエンジニアになった場合、前述した様々な視点からメリット・デメリットを検討していないと、多くの場合において理想と現実のギャップに悩まれると思います。後戻りができるタイミングなら良いのですが、エンジニアリングスキルの成長に寄与しない仕事で長い時間を費やしてしまった場合、その方のキャリア自体を台無しにしてしまいかねないのです。

先日、TECH LEADサービスの開発アドバイザーでもあり、TECH LEAD Agentのメンターも務めていただいていたフリーランスエンジニアの方が、とあるスタートアップ企業に社員としてコミットする事を決められました。 様々な会社・プロジェクトから引っ張りだこな状況で、いくつもの会社からCTOとしての誘いもあった状況なのですが、なぜ一つの会社に社員としてコミットするのか尋ねたところ、「複数社に外部のフリーランスとして関与しているだけでは、十分なやりがいや成長、そしてキャリアの形成に対して不十分」と感じたのがその理由だそうです。

本当に大切なのは、フリーランスか社員かと言った細かい雇用形態の話では無く、常に周りの人達から頼りにされるエンジニアになる事では無いでしょうか。そして、周りから求められるエンジニアになってから、ゆっくりとフリーランスが良いのか社員が良いのかを考えても、遅すぎるという事は無いと思います。

皆さんも、是非自分のキャリアをよく考えて、後悔の無いエンジニアライフをお過ごしください。 自分一人で考えるのに悩んだら、【テックリードエージェント】にお気軽にご相談ください。

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